まほろばスタイル

旅、文学、伝統文化、神社仏閣、日本の魅力再発見

茶道文化の入口『茶論』のお稽古

先月から「茶論」でお茶のお稽古を始めました。

f:id:jmahoroban:20201125161511j:plain

茶論は「茶道文化の入口」を謳っており、普段着、テーブルでのカジュアルなお稽古が特徴。通訳案内士として茶道のたしなみは必須ですが、いきなり本格的なお稽古はちょっと…と躊躇していた私にはもってこいの場所でした。

そして先日は横浜店で、初級コースの二日目。
玉露、煎茶、番茶など、身近なお茶の知識と、美味しい淹れ方の話が中心でした。

写真は、講師の方に淹れて頂いたやぶきたの煎茶。まず一煎目は、煎茶の適温70℃、抽出時間60秒で頂きます。

f:id:jmahoroban:20201125161557j:plain

フレッシュ、フルーティーな味わい。これなら夜に飲んでも眠れそう。

二煎目は80℃、抽出時間ゼロで頂きましたが、苦味が出て、普段飲んでいる緑茶はこちら、という感じでした。

さて、11月は茶人の正月。なので、しつらえもおめでたい雰囲気。

お花は白玉椿とウィンターベリー。

f:id:jmahoroban:20201125141218j:plain

香合は柿に見立てたマンゴスチン

f:id:jmahoroban:20201125141336j:plain

マンゴスチン!?柿でいいやん…とツッコミたくなるところですが、茶道では「見立て」の精神が大事にされます。「本来あるべき姿とは別のものとして見る」ということですが、元々は漢詩や和歌の技法からきた文芸用語。先月の茶論のしつらえでは、栗籠が花入れとして使われていましたが、これも見立ての一例。趣向を楽しむ見立ての文化、茶道はまだまだ奥が深そうです。

掛物は大名茶人、松平不昧の『壱楽』。

f:id:jmahoroban:20201125141908j:plain

そして主菓子は、栗がまるごと一つ入ったお饅頭でした🌰

f:id:jmahoroban:20201125141731j:plain

『茶論』で提供される和菓子は、奈良の和菓子屋『樫舎』さんから取り寄せられたもの。月が変わればお菓子も変わり、毎回のお稽古の大きな楽しみのひとつでもあります。

お饅頭に鹿がプリントされていますが、奈良のお菓子だから…というわけではなく、鹿は秋の季語だから。

奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の声きく時ぞ秋はかなしき  猿丸太夫

秋の深まりとともに、冬の足音も聞こえてきました。コロナ禍であっという間に月日が流れてしまった感がありますが、茶論のお稽古のような密度の濃い時間を増やしながら、一日一日を大切に過ごしたいと思います。